2025年2月17日月曜日

【キリスト教史】新約聖書の正典化と、新約文書の並び順の形成プロセス



ーーーーレジュメーーーー

【キリスト教史】新約聖書の正典化と、新約文書の並び順の形成プロセス


・時系列順に、段階を追って見ていく。


 1  初期教会時代

・各々の文書が各地で形成以降、個別に各地に伝播・拡散

・徐々に、重要性の高い文書が固定し、広範囲で共有されるように

 =文書の中で「重要な書」という認識とその共有が生じ始める


 2  異端の発生、教義の形成、教義の源泉の確定

・異端の発生 →正統的教義の確定の必要 

 →教義の源泉である諸文書を確定する必要

 後にこの位置付けの文書の27書が正典化されて「新約聖書」文書に。


 1 グノーシス主義的キリスト教の台頭

   際限なき文書形成、独自教義の形成という脅威を受けて

 2 マルキオン(生没年不詳。後150年前後活動)の出現

   旧約聖書およびその影響を受けた新約聖書文書の排除

   (ルカ福音書と一部書簡のみを採用した)


→ムラトリ正典目録(ムラトリ断片とも、18世紀発見、推定成立2世紀後半) 

→オリゲネス(後185–253年)ーー重要文書の一覧の作成


 3  ローマにおけるキリスト教寛容令から公認以降

・なおも続く教理論争ーーアレイオス論争

 アレイオス vs アレクサンドリアのアタナシオス(296年–373年)

 ニカイア公会議(後325年)でアレイオス派に勝利したアタナシオス

 アタナシオス「復活祭書簡39」:新約聖書となる文書の一覧

・ ラオディキア会議(後363年)

 正統派による締め付けの強化 会衆の讃美歌詠唱禁止とか

 ほぼ後の新約文書27巻の一覧を挙げ、正典をこれに限定すると声明

・ カルタゴ会議(後397年)

 新約聖書正典27文書の確定。

・上記のプロセスにおいて、並び順が徐々に整理、固定していく


 4  新約文書の配列順序の確立

• 福音書(マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネ)は早くからまとまりとして認識

 順序も徐々に固定化。マタイ=第一福音書

• 書簡は基本、パウロ書簡(文字量順)→その他の書簡という順序に

• ヨハネ黙示録  時系列的に終末を扱う点と、様式的にも特殊

 末尾へ。


0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。