ーーーーレジュメーーーー
【キリスト教史】新約聖書の正典化と、新約文書の並び順の形成プロセス
・時系列順に、段階を追って見ていく。
1 初期教会時代
・各々の文書が各地で形成以降、個別に各地に伝播・拡散
・徐々に、重要性の高い文書が固定し、広範囲で共有されるように
=文書の中で「重要な書」という認識とその共有が生じ始める
2 異端の発生、教義の形成、教義の源泉の確定
・異端の発生 →正統的教義の確定の必要
→教義の源泉である諸文書を確定する必要
後にこの位置付けの文書の27書が正典化されて「新約聖書」文書に。
1 グノーシス主義的キリスト教の台頭
際限なき文書形成、独自教義の形成という脅威を受けて
2 マルキオン(生没年不詳。後150年前後活動)の出現
旧約聖書およびその影響を受けた新約聖書文書の排除
(ルカ福音書と一部書簡のみを採用した)
→ムラトリ正典目録(ムラトリ断片とも、18世紀発見、推定成立2世紀後半)
→オリゲネス(後185–253年)ーー重要文書の一覧の作成
3 ローマにおけるキリスト教寛容令から公認以降
・なおも続く教理論争ーーアレイオス論争
アレイオス vs アレクサンドリアのアタナシオス(296年–373年)
ニカイア公会議(後325年)でアレイオス派に勝利したアタナシオス
アタナシオス「復活祭書簡39」:新約聖書となる文書の一覧
・ ラオディキア会議(後363年)
正統派による締め付けの強化 会衆の讃美歌詠唱禁止とか
ほぼ後の新約文書27巻の一覧を挙げ、正典をこれに限定すると声明
・ カルタゴ会議(後397年)
新約聖書正典27文書の確定。
・上記のプロセスにおいて、並び順が徐々に整理、固定していく
4 新約文書の配列順序の確立
• 福音書(マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネ)は早くからまとまりとして認識
順序も徐々に固定化。マタイ=第一福音書
• 書簡は基本、パウロ書簡(文字量順)→その他の書簡という順序に
• ヨハネ黙示録 時系列的に終末を扱う点と、様式的にも特殊
末尾へ。
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