2025年2月21日金曜日

【キリスト教史】霊的な熱狂的終末論者モンタヌス(モンタノス)とモンタニズム

 

ーーーーレジュメーーーー

【キリスト教史】霊的な熱狂的終末論者モンタヌス(モンタノス)とモンタニズム


 1 要約

・モンタヌスにより2世紀中葉から後半にかけて興隆した、

 キリスト教の熱狂的分派による終末論的運動。

・小アジアのフリギア(フリュギア、現・トルコ西部)で霊的預言活動を展開

 正統教会側より禁じられたため北アフリカに移住。

 以後、ローマ、ガリアまで伝播。

・これにより、正統教会側は終末思想を警戒するようになり、

 距離を置くようになった。


 2 モンタニズム(モンタヌス主義)

 ・モンタヌス(Montanus, ?‐c. 170 CE)を始祖とする熱狂的・霊的終末論的運動

 ・2世紀中葉から後半。


 3 モンタヌス

 ・アポロンもしくはキュベレの神官であったと推測

  生い立ちその他の詳細は不明

 ・152/157年頃、小アジアのフリギアにて、預言活動を開始。

  女性預言者プリスキラとマクシミラを伴って

  トランス状態での預言が特徴。

  千年王国の到来の告知。「天のエルサレム」が到来すると。

   =終末思想的:キリストの再臨と千年統治

 ・厳格な禁欲生活の実践を説く。


 4 モンタヌス主義運動の展開の推移

・一時、小アジア全体に拡大

・しかし、小アジアの(正統的)教会がこれを禁止

 モンタヌスは北アフリカに拠点を移す

・テルトゥリアヌスが207年頃にモンタヌス主義運動に一時参加

・同運動はドナトゥス派にも影響。ローマ、ガリアまで伝播

・ローマ司教ゼフィリヌス(在位199‐217)、カリストゥス1世(在位217‐222)

 同運動を異端とみなして弾圧政策を取る。

  理由:1 聖書における神の啓示からの逸脱。←霊的トランス状態の普遍化

     2 職制、聖職者の権威の否定

 

 325年のニカイア公会議以降、正統的なニカイア派による弾圧

・これにより4世紀以降、同運動は収束

・最終的には8世紀まで存続


重要:同運動を契機に、正統教会側は終末思想を警戒するようになり、

   距離を置くようになった  →正統教会側の安定に寄与


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