エビオン派 Ebionites、エビオン派福音書
エビオン派
【要約】
初期キリスト教会時代におけるユダヤ人キリスト教徒の一派。名称はローマ書15:26などで言及されている「貧しい者たち」に由来すると推定。原始キリスト教会のユダヤ人が70年におけるエルサレム崩壊直前にヨルダン川東岸へと避難して成立。処女降誕の否定が特徴。
【本文】
初期キリスト教会時代におけるユダヤ人キリスト教徒の一派。
名称は「ローマの信徒への手紙」15:26などで言及されている「貧しい者たち」に由来すると推定される。
エルサレムの原始キリスト教会のユダヤ人たちが、紀元70年におけるエルサレム崩壊直前にヨルダン川東岸へと避難し、同地で成立した教団。
特徴としては、処女降誕の否定や、自教団の教義に合わせた福音書の改竄などが挙げられる。
シリア、パレスティナにおけるグノーシス主義に解消された。
エビオン派福音書 2世紀
【要約】
初期キリスト教時代におけるユダヤ人キリスト教徒の教団「エビオン派」により使用された福音書。偽典。 内容:共観福音書の混合と装飾。言語:ギリシア語。成立場所:エビオン派の発祥地であるヨルダン川東岸。
【本文】
初期キリスト教時代における異端のエビオン派によって用いられていた福音書で、偽典の一つ。
エピファニオスが同派について、マタイ福音書を「ヘブライ人福音書」と呼んで受け入れていたと述べていることから、ヘブライ人福音書が同福音書と同定されてきたが、今日では否定的な立場が多数派である。
断片から推測される内容は、共観福音書を素材としてこれを改竄したもの。言語はギリシャ語で、成立場所は同派の発生地であるヨルダン川東岸、成立時期は2世紀と推定される。
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