2023年8月11日金曜日

アレクサンドリアのクレメンス

アレクサンドリアのクレメンス Clemens Al-exandrinus, c. 150‐c. 215 CE


要約

150年頃‐215年頃。アレクサンドリア学派のギリシャ教父。若い時にキリスト教に改宗。アレクサンドリアの教理学校でパンタイノスに師事。学頭に就任、オリゲネスを弟子に。異端と正統の峻別、信仰と哲学の調停可能性を志向。聖書の比喩的解釈はオリゲネスに継承。


本文

 アレクサンドリア学派のギリシャ教父。本名はTitus Flavius Clemens。元はアテナイの異教徒の両親の許に生まれ、若い時期にキリスト教に改宗し、各地を遍歴して神学、哲学を学ぶ。175年にアレクサンドリアの教理学校にてパンタイノスPantainos に師事。後に学頭に就任。オリゲネスを弟子とした。202年、皇帝セプティミウス・セウェルスの迫害を受け、アレクサンドリアから小アジアのカパドキアに移住した。


 グノーシスの興隆した2世紀のアレクサンドリアにあって、まだ明瞭ではなかった異端と正統の峻別を行った。また、ギリシャ的思想を積極的に評価し、信仰と哲学とを区別しつつも両者は調停し得ると考え、後者は最終的に前者に到達するために神に備えられたものと位置づけ、これを自らの神学の表現のために導入した。 アレクサンドリアにて、キリスト教とヘレニズムの融合をもたらした人物。


 彼の聖書の比喩的解釈は、オリゲネスに継承され確立された。


 著書

『プロトレプティコス』(190頃):ギリシャ人を対象にし、異教の論理的矛盾を明らかにし、彼らをキリスト教へと導くことを企図した、表題通り「勧告」の書。

『教師』Paidagōgos (190-195頃):グノーシスの誤謬と、教会における信徒の倫理的生活を説く。

『雑録』Strōmateis (8巻:200-202頃):哲学的着想を盛った非体系的な叙述の集積。

『富者の救い』


 補足

・ソクラテスとキリストの類似性は、アレクサンドリアのクレメンスが最初に指摘した。

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