カエサレアのエウセビオス Eusebios, ca. 260‐ca. 339 CE
【要約】
キリスト教史上、最初の教会史の編纂者。カエサリア司教。オリゲネスについて学び、反サベリウス主義となりアタナシオス派を支持したが後に批判的に。『教会史』は、使徒の時代から303(1-7巻)、303-23年(3巻)、合計10巻。
本文
キリスト教史上、最初の教会史の編纂者。
パレスティナのカエサリアにて、オリゲネス神学を継承するパンフィロスを通じて、オリゲネスについて学び、反サベリウス主義の思想に立つようになる。313年、カエサリアの司教に就任。324年以降、コンスタンティヌス大帝の信任を得る。
アレイオス論争において、当初はアレイオスよりであったものの、325年のニカイア公会議以来、過激なアレイオス神学と距離を置き、穏健派に立ちつつ、アタナシオス側のホモウシオス(父と子の同質性)という語を挿入した信条の締結に署名する。だが、アタナシオス派とニカイア公会議の決定を、サベリウス主義の危険があると見たエウセビオスは、後にこの立場に反対の姿勢を取った。神学的には必ずしも一貫していなかった。
『教会史』は、使徒の時代から303年までを扱う7巻の他、323年までを扱った3巻の増補を加えて、合計10巻本である。東方教会に関する記述が多い。今日、現存しない著作の引用が多く、この点で本書は古代教会史に関する貴重な情報を提供している。
その他の主著
『パレスティナの殉教者たち』ディオクレティアヌス帝の迫害
『年代記』旧約時代から303までの年表
『オノマスティコン』聖書地理
『福音の証明』
『ヒエロクレス駁論』
『コンスタンティヌス伝』
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