聖書入門テキスト
聖書について
正典・構成・「約」の意味
本書は、聖書そのものに入る前に押さえておきたい基礎を5章にまとめたテキストです。各章は次の要素で構成されています。
- 学習のねらい その章で身につける事柄を冒頭に示します。
- 本文 図表と用語解説をまじえて説明します。
- 注意 広く流布しているが不正確な説明を、正しい理解と対比して示します。
- 章のまとめ・確認問題 解答は各問題の下で開けます。
第 1 章
聖書とは何か
「諸書」と「正典」
- 「聖書」という語の由来を説明できる。
- 「正典」と「聖典」を区別して用いることができる。
- 聖書が「一書にして諸書」であることの意味を理解する。
1.1「聖書」という言葉
「聖書」という語の背後にあるギリシア語は τὰ βιβλία(タ・ビブリア)です。これは「巻物・書物」を意味する βιβλίον(ビブリオン)の複数形であり、そのまま訳せば「諸書」、すなわち「書物たち」となります。
さらに語源をさかのぼると βίβλος(ビブロス)に行き着きます。これはパピルスの内側の皮を指す語でした1。パピルスは古代の紙ですから、もとは紙そのものを指していたことになります。その語がやがて紙でできた書物を指すようになり、ついには書物の中の書物、すなわち聖書を指すようになりました。
- τὰ βιβλία(タ・ビブリア)
- 「諸書」。βιβλίον の複数形。英語 Bible、フランス語 Bible、ドイツ語 Bibel はいずれもこの語に由来する。
- βίβλος(ビブロス)
- パピルスの内皮。転じて巻物・書物。
1.2「正典」と「聖典」
聖書を教会の側から位置づける言葉が「正典」です。英語では Canon、もとはギリシア語の κανών(カノーン)に由来します。κανών は本来「測り竿」、すなわち物差しを意味しました2。まっすぐな竿を当てて、曲がりの有無を測る道具です。そこから「基準」という意味が生じました。
したがって正典とは、キリスト教会において公認された、信仰と教義に関する規範書・基準書ということになります。信仰が正しいかどうかを、この書に照らして測る。それが「正典」という語の含意です。
これとよく似た語に「聖典」があります。こちらは宗教一般について、その教団が中心的な教典として重んじている書を指す、より広い語です。学術的な文脈では「正典」を用いるのが適切でしょう。
ただし、聖書を「聖典」と呼ぶことが誤りだというわけではありません。正典はその書が公認されているという位置づけを示し、聖典はその書が実際に尊ばれているという働きを示します。両者は対立する概念ではなく、着眼点が異なるのです。
| 語 | 原語・語源 | 意味するところ |
|---|---|---|
| 正典 | Canon / κανών(測り竿) | 教会が公認した、信仰と教義の規範書・基準書 |
| 聖典 | (宗教一般の用語) | その教団が中心的な教典として重んじている書 |
表1-1 「正典」と「聖典」
1.3一書にして諸書
私たちは聖書を1冊の本として手に取ります。しかしその中身は、執筆者も執筆年代も異なる文書の集まりです。成立には1000年を優に超える時間がかかっており、用いられた言語もヘブライ語・アラム語・ギリシア語の3つにまたがります。
1冊であって、同時に「諸書」である。この二重性が、聖書を読むときの出発点となります。個々の書がいつ、どこで、誰に向けて書かれたのかを問うことと、聖書全体を1つの書として読むこととは、どちらも必要な作業なのです。
「聖典ではなく正典と言うべきだ」と強く言い切る説明を見かけますが、行き過ぎです。正典は教会が公認しているという位置づけを示す語、聖典はその書が重んじられているという働きを示す語であって、指している対象は同じです。論文や講義では「正典」を用い、日常の会話で「聖典」と言うことを咎める必要はありません。
- 「聖書」の語源は τὰ βιβλία=「諸書」。もとはパピルス(紙)を指す語であった。
- 「正典(Canon/κανών)」は「測り竿」に由来し、教会が公認した信仰と教義の基準書を意味する。
- 「聖典」は宗教一般に用いる広い語。正典とは着眼点が異なるだけで、対立する概念ではない。
- 聖書は1冊でありながら、執筆者・年代・言語の異なる文書の集成である。
- τὰ βιβλία を日本語に直訳するとどうなりますか。
- κανών のもとの意味は何ですか。またそこからどのような意味が生じましたか。
- 「正典」と「聖典」の違いを、それぞれの着眼点に注意して説明しなさい。
解答を表示
(1) 「諸書」(書物たち)。
(2) もとの意味は「測り竿(物差し)」。そこから「基準」の意味が生じた。
(3) 正典はその書が教会に公認されているという位置づけを示す語、聖典はその書が実際に重んじられているという働きを示す語。着眼点が異なるだけで対立する概念ではない。
第 2 章
聖書の基本構成
39 + 27 = 66、ただし
- 旧約・新約それぞれの書数と合計を言える。
- 「全66書」がプロテスタントの数え方であることを理解する。
- 第二正典・外典とは何かを説明できる。
2.1旧約聖書と新約聖書
聖書は旧約聖書と新約聖書の2部から成ります。旧約が39書、新約が27書、合わせて66書です。まずはこの数字を押さえておきましょう。
ただし、この「66」という数字には注意すべき点があります。次節で確認します。
2.2「66書」はプロテスタントの数え方
「聖書は全66書」という言い方は、実はプロテスタントの数え方です。カトリックでは旧約が46書であり、合計は73書になります。正教会はさらに多くの書を含み、その範囲は教会によって異なります。
一方、新約の27書についてはどの教派も一致しています。違いが生じるのは旧約の側です。私たちが当たり前のように用いている「66」という数字も、1つの立場から見た数字なのだということになります。
| 教派 | 旧約 | 新約 | 合計 |
|---|---|---|---|
| プロテスタント | 39書 | 27書 | 66書 |
| カトリック | 46書 | 27書 | 73書 |
| 正教会 | 49〜51書程度 | 27書 | 教会により異なる |
表2-1 教派による正典範囲の違い
2.3第二正典と外典
カトリックが加える7つの文書を「第二正典」と呼びます。トビト記、ユディト記、知恵の書、シラ書(集会の書)、バルク書、マカバイ記上・下です。いずれも旧約と新約の間の時代に成立した文書で、ギリシア語訳には含まれていましたが、ヘブライ語聖書には含まれていません3。
プロテスタントはこれらを「外典」と呼び、正典には数えません。正教会はさらにエズラ記(ギリシア語)、マカバイ記三、詩編151などを含みます。
正典の範囲そのものが、1つに定まっていない。正典とは何かを論じる以上、この事実は避けて通れないところです。
「旧約39書、新約27書、合わせて66書」という説明はごく一般的ですが、これを無条件の事実として述べると不正確になります。カトリックは73書、正教会はさらに多い。正典の範囲そのものが立場によって異なるという点を、必ず添えて説明してください。
- 旧約39書+新約27書=66書。ただしこれはプロテスタントの数え方である。
- カトリックは第二正典7書を加えて旧約46書・合計73書。正教会はさらに多い。
- 新約27書は全教派で一致しており、違いは旧約の範囲に生じる。
- プロテスタント・カトリックそれぞれの旧約の書数と合計を答えなさい。
- 第二正典に含まれる7つの文書を挙げなさい。
- 教派によって正典の範囲が異なるのは、旧約・新約のどちらですか。またその理由を述べなさい。
解答を表示
(1) プロテスタント=旧約39書・合計66書/カトリック=旧約46書・合計73書。
(2) トビト記、ユディト記、知恵の書、シラ書、バルク書、マカバイ記上、マカバイ記下。
(3) 旧約。ギリシア語訳(七十人訳)に含まれていた文書を正典に数えるかどうかで立場が分かれたため。
第 3 章
「旧約」「新約」の「約」
神と人との契約
- 「約」が契約を意味することを、原語とともに説明できる。
- 「旧約」「新約」という名称の聖書的な由来を示せる。
- 聖書における主要な4つの契約を区別できる。
3.1契約としての「約」
「旧約」「新約」の「約」は、神と人との間に結ばれる「契約」「約束」の「約」です。ヘブライ語では בְּרִית(ベリート)、ギリシア語では διαθήκη(ディアテーケー)といいます。
つまり「旧約聖書」「新約聖書」という名称は、単に古い書物・新しい書物という意味ではありません。神と人との関係を表す言葉が、その名称の中に組み込まれているのです。ここを押さえておくと、聖書全体の見え方が変わってきます。
3.2名称の由来
「旧い契約」「新しい契約」という対比そのものが、実は聖書の中にあります。
エレミヤ書31:31に「見よ、わたしがイスラエルの家、ユダの家と新しい契約を結ぶ日が来る」という言葉があります。そしてコリントの信徒への手紙二3:14で、パウロが「古い契約(παλαιὰ διαθήκη)」という語を用います。この2つが結びついて、やがて聖書全体を二分する呼び名になっていきました。
後から付けられた名称ではありますが、聖書自身の言葉から出てきた名称だということになります。
3.3聖書における主要な契約
聖書の契約は1つではありません。次の4つが段階的に重なっていきます。
| 契約 | 相手 | 箇所 |
|---|---|---|
| ノア契約 | ノアと全被造物 | 創世記 9章 |
| アブラハム契約 | 父祖アブラハム | 創世記 12章・15章・17章 |
| シナイ契約 | モーセを介したイスラエル全体 | 出エジプト記 19〜24章 |
| ダビデ契約 | ダビデ王 | サムエル記下 7章 |
表3-1 聖書における主要な契約
このうち、信仰の原型としてしばしば語られるのがアブラハム契約です。アブラハムは神を信じ4、子孫の繁栄と土地とを神から約束されました。ここに神の守りと祝福が始まります。
「旧約の『約』とはアブラハム契約のことだ」と1対1で結びつけて説明されることがありますが、これはやや不正確です。パウロが言う「古い契約」が第1に指しているのは、シナイ契約、すなわちモーセの律法です。アブラハム契約は複数ある契約のうちの1つであり、むしろ新約の側で、信仰の模範として引き継がれていきます。
- 「約」=契約。ヘブライ語ベリート、ギリシア語ディアテーケー。
- 名称はエレミヤ書31:31の「新しい契約」とコリント二3:14の「古い契約」に由来する。
- 契約はノア・アブラハム・シナイ・ダビデと段階的に重なる。
- 「古い契約」が第1に指すのはシナイ契約であり、アブラハム契約ではない。
- 「約」にあたるヘブライ語・ギリシア語をそれぞれ答えなさい。
- 「旧約」「新約」という名称の根拠となる聖句を2つ挙げなさい。
- パウロの言う「古い契約」は、どの契約を第1に指していますか。
解答を表示
(1) ヘブライ語 בְּרִית(ベリート)/ギリシア語 διαθήκη(ディアテーケー)。
(2) エレミヤ書31:31、コリントの信徒への手紙二3:14。
(3) シナイ契約(モーセの律法)。
第 4 章
旧約聖書
タナハと39書
- ユダヤ教の正典「タナハ」の3部構成を説明できる。
- ユダヤ教とキリスト教で書数・配列が異なる理由を述べられる。
- 旧約39書を5つの区分に整理できる。
4.1ユダヤ教の正典 ― タナハ
ユダヤ教の正典は、キリスト教が「旧約聖書」と呼ぶ範囲と、内容的にはほぼ一致します。しかしユダヤ教はこれを「旧約」とは呼びません。当然といえば当然で、「旧約/新約」という区分そのものが、キリスト教の側から見た概念だからです。
ユダヤ教ではこれを タナハ(תנ״ך/TaNaKh)と呼びます。トーラー(律法)、ネビイーム(預言者)、ケトゥビーム(諸書)という3部構成の、その頭文字をつないだ呼称です。
| 区分 | 書数 | 内容 |
|---|---|---|
| トーラー(律法) | 5書 | モーセ五書(創世記〜申命記) |
| ネビイーム(預言者) | 8書 | 前の預言者・後の預言者 |
| ケトゥビーム(諸書) | 11書 | 詩編・知恵文学・ダニエル書・五巻の書ほか |
| 合計 | 24書 |
表4-1 タナハの3部構成
4.2数え方と配列の違い
数え方も異なります。ユダヤ教では全24書。サムエル記・列王記・歴代誌をそれぞれ1書と数え、十二の小預言書をまとめて1書と数えるためです5。
配列も異なります。ダニエル書や哀歌は、ユダヤ教では預言書ではなく諸書(ケトゥビーム)に属します。キリスト教の配列は、ヘブライ語聖書ではなくギリシア語訳の順序を引き継いだものです。
したがって「39書」というのは、あくまでキリスト教側の数え方だということになります。内容はほぼ同じでも、区切り方と並べ方が違うのです。
4.3旧約聖書39書の構成
旧約39書は、次の5つの区分に整理されます6。
| 区分 | 範囲 | 書数 |
|---|---|---|
| モーセ五書 | 創世記 〜 申命記 | 5 |
| 歴史書 | ヨシュア記 〜 エステル記 | 12 |
| 詩歌・知恵文学 | ヨブ記 〜 雅歌 | 5 |
| 大預言書 | イザヤ書 〜 ダニエル書 | 5 |
| 小預言書 | ホセア書 〜 マラキ書 | 12 |
| 合計 | 39 |
表4-2 旧約聖書39書の構成 ※全書名は巻末資料1を参照
ヨナ書が小預言書に入っているのは、ヨナが小物だからではなく、単に短いからです。日本語の「大」「小」という字が、どうしても格の違いに見えてしまうのですが、そうではありません7。
- ユダヤ教の正典はタナハ(トーラー・ネビイーム・ケトゥビームの3部構成、全24書)。内容はほぼ同じだが、数え方と配列が異なる。
- 旧約39書=モーセ五書5+歴史書12+詩歌・知恵文学5+大預言書5+小預言書12。
- 大預言書・小預言書の区別は分量による。重要度の差ではない。
- タナハの3部構成を、それぞれの書数とともに答えなさい。
- ユダヤ教で24書となるのはなぜですか。数え方の違いを2つ挙げて説明しなさい。
- 旧約39書の5区分とそれぞれの書数を答えなさい。
解答を表示
(1) トーラー5書・ネビイーム8書・ケトゥビーム11書、合計24書。
(2) サムエル記・列王記・歴代誌をそれぞれ1書と数えること、十二小預言書をまとめて1書と数えること。
(3) モーセ五書5・歴史書12・詩歌・知恵文学5・大預言書5・小預言書12。
第 5 章
新約聖書
27書とその確定
- 新約27書を区分ごとに整理できる。
- 使徒言行録の位置づけを説明できる。
- 新約正典が確定していった経緯を述べられる。
5.1新約聖書27書の構成
新約聖書は27書です。福音書が4、使徒言行録が1、パウロ書簡が13、ヘブライ人への手紙が18、公同書簡が7、そしてヨハネの黙示録が1。合わせて27書になります。
| 区分 | 範囲 | 書数 |
|---|---|---|
| 福音書 | マタイ・マルコ・ルカ・ヨハネ | 4 |
| 歴史書 | 使徒言行録 | 1 |
| パウロ書簡 | ローマの信徒への手紙 〜 フィレモンへの手紙 | 13 |
| (著者不明) | ヘブライ人への手紙 | 1 |
| 公同書簡 | ヤコブの手紙 〜 ユダの手紙 | 7 |
| 黙示録 | ヨハネの黙示録 | 1 |
| 合計 | 27 |
表5-1 新約聖書27書の構成 ※全書名は巻末資料2を参照
使徒言行録は書名の一覧から抜け落ちやすい書です。福音書4、書簡21、黙示録1だけでは26にしかなりません。使徒言行録はルカによる福音書の続編であり、著者も同じとされます。両者を合わせて「ルカ文書」と呼ぶこともあります。
なお、書簡をひとまとめにして21書(パウロ書簡13+ヘブライ人への手紙1+公同書簡7)と数え、福音書4・使徒言行録1・書簡21・黙示録1と整理する方法もあります。
5.2新約正典が定まるまで
新約27書は、最初から27書として与えられたわけではありません。
現在の27書がそろった形で最初に列挙されたのは、367年、アレクサンドリアの主教アタナシオスが書いた復活祭書簡においてです。4世紀の後半にあたります。その後、397年のカルタゴ教会会議などで追認されていきました。
つまり正典は、上から一度に定められたのではなく、教会が実際に読み、用い、信仰の基準としてきた積み重ねの中で確定していったのです。κανών が「測り竿」を意味したことを、ここでもう一度思い起こしてください。教会は、自分たちが立っている基準が何であるかを、時間をかけて確かめていきました。
| 年 | 出来事 |
|---|---|
| 367年 | アタナシオス(アレクサンドリア主教)の復活祭書簡。現在の27書を初めて列挙 |
| 397年 | カルタゴ教会会議。以後、各地の教会会議で追認されていく |
表5-2 新約正典確定の主な画期
- 新約27書=福音書4+使徒言行録1+パウロ書簡13+ヘブライ人への手紙1+公同書簡7+黙示録1。
- 使徒言行録を落とすと26書にしかならない。ルカ福音書の続編である。
- 27書がそろった形で最初に列挙されたのは367年のアタナシオスの復活祭書簡。
- 正典は一度に定められたのではなく、教会の使用の積み重ねの中で確定した。
- 新約27書の区分と、それぞれの書数を答えなさい。
- 使徒言行録はどの書の続編とされていますか。
- 現在の新約27書を初めて列挙した文書と、その年を答えなさい。
解答を表示
(1) 福音書4・使徒言行録1・パウロ書簡13・ヘブライ人への手紙1・公同書簡7・黙示録1。
(2) ルカによる福音書。
(3) アタナシオスの復活祭書簡、367年。
終 章
まとめ
3つの柱
本書で確認したことを、3点にまとめます。
1. 聖書は「諸書」であり、同時に教会の「正典」である。
執筆者も年代も異なる文書の集成でありながら、教会はこれを信仰と教義の基準として受け取ってきました。
2. 「約」とは神と人との契約を意味する。
「旧約」「新約」という呼び名そのものが、エレミヤ書とパウロの言葉に由来します。
3. 正典の範囲も配列も、立場によって異なる。
教派によって書数が異なり、ユダヤ教とは数え方も並べ方も異なります。「全66書」は1つの立場から見た数字です。
この3点を土台として、次は個々の書に入っていきます。創世記から順に読み進めるのもよいでしょうし、福音書から始めるのもよいでしょう。いずれの道を取るにせよ、いま手にしている1冊が、どのような性格の書物であるかを知っておくことは、読み進めるうえで確かな支えとなります。
巻末資料
資料1 旧約聖書39書 一覧
| 区分 | 書名 |
|---|---|
| モーセ五書(5) | ① 創世記 ② 出エジプト記 ③ レビ記 ④ 民数記 ⑤ 申命記 |
| 歴史書(12) | ⑥ ヨシュア記 ⑦ 士師記 ⑧ ルツ記 ⑨ サムエル記上 ⑩ サムエル記下 ⑪ 列王記上 ⑫ 列王記下 ⑬ 歴代誌上 ⑭ 歴代誌下 ⑮ エズラ記 ⑯ ネヘミヤ記 ⑰ エステル記 |
| 詩歌・知恵文学(5) | ⑱ ヨブ記 ⑲ 詩編 ⑳ 箴言 ㉑ コヘレトの言葉 ㉒ 雅歌 |
| 大預言書(5) | ㉓ イザヤ書 ㉔ エレミヤ書 ㉕ 哀歌 ㉖ エゼキエル書 ㉗ ダニエル書 |
| 小預言書(12) | ㉘ ホセア書 ㉙ ヨエル書 ㉚ アモス書 ㉛ オバデヤ書 ㉜ ヨナ書 ㉝ ミカ書 ㉞ ナホム書 ㉟ ハバクク書 ㊱ ゼファニヤ書 ㊲ ハガイ書 ㊳ ゼカリヤ書 ㊴ マラキ書 |
資料2 新約聖書27書 一覧
| 区分 | 書名 |
|---|---|
| 福音書(4) | ① マタイによる福音書 ② マルコによる福音書 ③ ルカによる福音書 ④ ヨハネによる福音書 |
| 歴史書(1) | ⑤ 使徒言行録 |
| パウロ書簡(13) | ⑥ ローマの信徒への手紙 ⑦ コリントの信徒への手紙一 ⑧ コリントの信徒への手紙二 ⑨ ガラテヤの信徒への手紙 ⑩ エフェソの信徒への手紙 ⑪ フィリピの信徒への手紙 ⑫ コロサイの信徒への手紙 ⑬ テサロニケの信徒への手紙一 ⑭ テサロニケの信徒への手紙二 ⑮ テモテへの手紙一 ⑯ テモテへの手紙二 ⑰ テトスへの手紙 ⑱ フィレモンへの手紙 |
| (著者不明)(1) | ⑲ ヘブライ人への手紙 |
| 公同書簡(7) | ⑳ ヤコブの手紙 ㉑ ペトロの手紙一 ㉒ ペトロの手紙二 ㉓ ヨハネの手紙一 ㉔ ヨハネの手紙二 ㉕ ヨハネの手紙三 ㉖ ユダの手紙 |
| 黙示録(1) | ㉗ ヨハネの黙示録 |
資料3 用語集
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| τὰ βιβλία(タ・ビブリア) | 「諸書」。βιβλίον(巻物・書物)の複数形。「聖書」の語源 |
| κανών(カノーン) | 「測り竿」。転じて「基準」。正典 Canon の語源 |
| 正典 | 教会が公認した、信仰と教義に関する規範書・基準書 |
| 聖典 | その教団が中心的な教典として重んじている書(宗教一般の用語) |
| 第二正典 | カトリックが旧約に加える7書。プロテスタントは「外典」と呼ぶ |
| בְּרִית(ベリート) | ヘブライ語で「契約」 |
| διαθήκη(ディアテーケー) | ギリシア語で「契約」 |
| タナハ(TaNaKh) | ユダヤ教の正典。トーラー・ネビイーム・ケトゥビームの頭文字。全24書 |
| 七十人訳(LXX) | 前3世紀以降のギリシア語訳旧約。第二正典にあたる文書を含む |
| ルカ文書 | ルカによる福音書と使徒言行録の総称。同一著者による2部作 |
注
- フェニキアの港町ビブロス(Byblos)を経由してパピルスが地中海世界に流通したことから、この地名が語源であるとも言われます。↩
- κανών はもともと「葦の竿」を指し、そこから物差し・規準を意味するようになりました。新約聖書ではガラテヤの信徒への手紙6:16、コリントの信徒への手紙二10:13などに用例があります。↩
- 七十人訳(セプトゥアギンタ、LXX)。前3世紀以降、エジプトのユダヤ人社会で成立したギリシア語訳。新約聖書の旧約引用の多くはこの訳に基づいています。↩
- 創世記15:6「アブラムは主を信じた。主はそれを彼の義と認められた」。パウロがローマの信徒への手紙4章・ガラテヤの信徒への手紙3章で信仰義認を論じる際の土台となる一節です。↩
- ヨセフス『アピオーンへの反論』1巻38-41では22書と数えられています。ルツ記を士師記に、哀歌をエレミヤ書に含める数え方によります。↩
- 本書の書名表記は新共同訳・聖書協会共同訳に準拠します。口語訳・新改訳では「詩編」を「詩篇」、「ペトロ」を「ペテロ」、「使徒言行録」を「使徒行伝」「使徒の働き」と表記します。↩
- 哀歌は厳密には預言書ではなく哀歌文学ですが、伝統的にエレミヤの作と考えられてきたため、キリスト教の配列ではエレミヤ書の直後に置かれています。↩
- ヘブライ人への手紙は伝統的にパウロ書簡に数えられてきましたが、文体・思想ともにパウロ書簡と異なり、現在は著者不明とするのが一般的です。↩
聖書について ― 正典・構成・「約」の意味 / 聖書入門テキスト 全5章・巻末資料付
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