1. 意味、概要
イースターは、キリストの復活を記念して祝われるキリスト教の重要な祭日。
2. 名称の由来
名称の由来についてはゲルマン神話の春の女神(元来は夜明けの女神)「エオストレ(Ēostre)」に由来するという説が主流。
8世紀のイングランドの修道士・歴史家 ベーダ(Bede) が著書『自然の計算(De temporum ratione)』の中で、 4月は春の女神エオストレの名に因んで古英語でエオストル月と呼ばれ、 キリスト教徒はこの時期の祭りを「Easter」と呼ぶようになったと述べている。
要するに、ゲルマン民族における異教の春祭りの名称が、キリスト教の復活祭に転用されたということになる。
3. イースターの日付の設定法と移動祝祭日
クリスマスが毎年12月25日と固定されているのに対し、イースターは 春分(教会暦では3月21日と固定され、天文学的な春分とは一致しない)以降に訪れる最初の満月の次の日曜日 と定められており、毎年日付が変動する。
この規定は、325年に開催されたキリスト教史上初の全教会会議である ニカイア公会議 において取り決められたもので、当時、地域によって異なっていたイースターの日付を統一することが目的であった(14日に祝う習慣の地域もあった)。
この日付決定には、太陽暦(春分)と太陰暦(満月)という異なる暦体系が組み合わされている。これは、イエスの受難と復活がユダヤ教の過越祭(Pesach)の時期と深く結びついているためである。過越祭はユダヤ暦(太陰太陽暦)に基づいており、その伝統を部分的に継承したキリスト教は、太陽暦と太陰暦の双方を参照する独自の計算方法を必要とした。この複雑な暦法的・天文学的計算は コンプトゥス(Computus) と呼ばれる。
移動するイースターの日付の振れ幅は以下の通り。
- 最も早い日付:3月22日
- 最も遅い日付:4月25日
イースターのように日付が毎年変動する祝日は 移動祝日(movable feast) と呼ばれる。イースターはその代表例であり、さらにイースターを基準として、受難日や聖霊降臨祭(ペンテコステ)など、多くの教会暦上の祝日が連動して動くため、教会暦全体の中心軸の役割を果たしている。
- 灰の水曜日(イースターの46日前)
- 受難日(Good Friday)(直前の金曜日)
- 昇天日(39日後)
- 聖霊降臨祭(ペンテコステ)(49日後)
4. 西方教会と東方教会で日付が異なる理由
イースターの日付は、西方、東方、それと連動しての教派によって異なる。
- 西方教会(カトリック・プロテスタント):グレゴリオ暦
- 東方教会(正教会):ユリウス暦を基準に計算
暦法の違いにより、「春分」や「満月」の取り扱い法が異なるため、日付がずれることがある。
5. イースターの象徴—卵とウサギ
- 卵=「イースターエッグ」:命の象徴として、中世時代のヨーロッパで広まった。
- ウサギ=「イースターバニー」:ゲルマン系民俗では多産のために生命の象徴とされていたウサギがイースターに転用され、これがアメリカに伝わり流通した。これもまた、異教文化がキリスト教文化と融合した一例である。
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