2025年3月10日月曜日

【キリスト教史解説】モナルキアニズムー養子説と様態説ー三位一体の否定、キリストの神性否定




 名称の語源モナルケスが「単独支配」を意味するように、三位一体論において、「父」「子」「聖霊」という位格の区別を無視し、位格の単一性を過度に強調する異端的教義を表す。

 以下の養子説(Adoptionism)と様態説(Modalism)の2種で展開された。


 1 養子説(Adoptionism)

 養子説は、主としてアンティオキア主教サモサタのパウロによって提唱され、アンティオキア学派によって継承された。

 元は人間であったイエスが、十字架と復活を経て御子とされたとする説で、キリストの完全な神性の否定に繋がるとして、正統派から退けられた。


 2 様態説(Modalism)

 様態説は、主としてプラクセアス(2世紀末〜3世紀初頭、小アジア出身)によって説かれ、サベリウス(?-260年頃)によっても展開された。

 「父」「子」「聖霊」は、神の様態(モード)の現れに過ぎないとする。「子」は「父」が受肉したものとする説で、キリストの神性否定と三位の独自性の解消に繋がるとして、正統派から拒絶された。

 この説はテルトゥリアヌス(『プラクセアス駁論』)によって天父受苦説(patripassianism)と呼ばれて論駁された。その後、様態説はスミルナのノエトゥスの一派により継承された。

0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。

聖書入門テキスト 「聖書について──正典・構成・『約』の意味」

聖書入門テキスト 聖書について 正典・構成・「約」の意味 目次 本書の構成と使い方 第1章 聖書とは何か 1.1 「聖書」という言葉 1.2 「正典」と「聖典」 1.3 一書にして諸書 第2章 聖書の基本構成 2.1 旧約聖書と新約聖書 2.2 「66書」はプロテスタントの数え方...