宗教 religion
【要約】
人間と神聖なものとの関係や営み。英語のreligionの語源は、ラテン語のrelegere (再読する)もしくはreligare (つなぐ)。日本語の訳語の「宗教」は、漢訳仏典で使われていた仏教用語で、それを明治期にreligionの訳語とした。
【本文】
英語のreligionの語源は、ラテン語のrelegere (再読する)もしくはreligare (つなぐ) に由来すると考えられている。日本語の訳語として、「宗教」という用語が使われいるが、これは、古来より漢訳仏典で使われていた仏教用語である。それを明治期においてreligionの訳語としたことが、今日の「宗教」という日本語の由来となっている。
宗教とは、人間と神聖なものとの関係や営みを指す。いわゆる「神」も、この神聖なるものの一つの在り方である。宗教において何を重視するかは様々で、例えばR. オットー(ドイツ・プロテスタント神学者、1869-1937、『聖なるもの』、宗教を他の何かではなく、それ固有のものとして考察)は「聖なるもの」への畏れを重視し、シュライエルマッハーは絶対的依存感情(19世紀ドイツ・プロイセン、1768-1834、自由主義神学)を宗教の中核に捉え、他方、É. デュルケム(フランスの社会学者、1858-1917)は、共同体における機能面(社会学的)を強調し、社会的結束のための象徴と理解した。
以上のように、「宗教」という概念においては、宗教的感情や、あるいは個人を越えた共同体レベルでの社会的機能をその中心と見なす等、種々の捉え方がある。ただ、一般的な意味での「宗教」とは、個人または共同体のどちらかに限定されるものでもなく、また、単に宗教的感情や意識の側面に留まるものでもなく、それらを網羅し、個人と共同体の相関関係の中で展開される人間の行為全般であり、その末に生み出された宗教集団・教団、さらには文化や歴史をも含む。狭義としては、体系化された信仰内容(教義)を持つ何らかの形をもってある程度組織化された集団を指す。
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