元々ユダヤには誕生日を祝う習慣がなく、キリストが誕生した日も定かではないため、初期の教会においてはクリスマスという発想自体がありませんでした。ところが、1世紀から3世紀にかけてキリスト教がローマ社会に浸透していくと、ローマ皇帝等の誕生日を祝う習慣のあった帝国の勢力圏では、キリスト降誕の祝祭日を持ちたいという潜在的ニーズが高まっていったと推測されます。
他方、ローマ社会においては12月にはお祭りが多く、キリスト教徒が礼拝そっちのけで祭りにかまける事態も深刻視されていきました。そこで、太陽神を讃える祭りの初日に相当する冬至の日、すなわち12月25日をキリスト降誕日と定め、祝うようになったというのがクリスマスの由来です。冬至では日照時間が最短となるものの、その日を境に光の時間が増えていくということも、キリストを「光」になぞらえる聖書の記述と合致するため、教義と文化の両面でスムースにクリスマスが定着していきました。
元々誕生日を祝おうという発想自体なかったところから始まって、異教の祭事にぶつけるようにしてクリスマスを設け、そして今や、良い意味でも悪い意味でも宗教性を喪失して世界最大の祭事となっているとは、歴史というのは面白いものです。
ーーーレジュメ形式ーーー
クリスマスの起源
・クリスマスとは、キリストの誕生を祝う祝祭日。
・元々ユダヤには誕生日を祝う習慣がない。
よって、キリストが誕生した日も定かではない。
・初期の教会においても、クリスマスという発想自体がなかった。
・1世紀から3世紀にかけてキリスト教がローマ社会に浸透。
他方、ローマ皇帝等の誕生日を祝う習慣あり。
→キリスト降誕を祝いたいという潜在的ニーズが高まる。
・他方、ローマ社会では異教の神々由来の祭りが多い。
キリスト教徒も祭りに参加してしまう問題。
・教会側は、太陽神の祭りの初日である冬至に焦点
→12月25日をキリスト降誕日と定めた
・冬至では日照時間が最短。→その日を境に光の時間が増えていく
ーーキリストを「光」になぞらえる聖書の記述と合致
ーー教義と文化の両面でスムースにクリスマスが定着
・まとめ
元々誕生日を祝おうという発想自体がなかった。
異教の祭事にぶつけるようにしてクリスマスを設けた。
今や、良い意味でも悪い意味でも宗教性を喪失して世界最大の祭事に。
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