2024年2月29日木曜日

グレート・アウェイクニング

グレート・アウェイクニング Great Awakening


 18世紀前半から中葉、1720-40年代に掛けて、北アメリカ植民地において生じた信仰覚醒運動のこと。「大いなる目ざめ」という意。


 既に信仰復興的運動は、スコットランド系長老主義、オランダ系改革派、会衆派、バプテスト、イギリス国教会などの既存教会の一部で生じていた。主だったところでは、ニューイングランドではJ. エドワーズによって、中部植民地ではオランダ系改革派とスコットランド系長老派によって、既に信仰復興的な運動は始まっていた中、1739年にジョン・ウェスレーとカルヴァン主義の影響を受けたイギリスの説教家ジョージ・ホイットフィールドが巡回伝道を行ったことで、各地の信仰覚醒運動が次第に一つのムーブメントとして形成されていった。南部においても1750年以降、長老主義やバプテスト教会で同運動が拡大していった。


 信仰覚醒運動の背景には、既存教会の信仰的衰退、制度的疲弊に伴い、個人の敬虔さや宗教的感情の高揚が注目されるようになったことがある。その結果、既存教会の制度や権威とは別に、個々人が伝道や説教に専心するようなった。そして既存教会の権威は弱まり、個人の自発性や民主性という意識が芽生えるようになり、個人における信教の自由という発想が醸成されていった。


 また、各地で共通する運動が互いに連携を取り合い、大きな流れを形成するようになり、これによって社会変革が起こるという実例の一つにもなったと言える。同運動の余波は、1776年におけるアメリカ独立革命へと繋がっていった。


 一方、推進派と反対派の双方で確執と分裂が生じ、さらには推進派の中でもそれは進むことになったものの、その過程で多様な教派が誕生するに至った。

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