バシレイオス Basileios, c. 330‐379 CE
【要約】
小アジアのカパドキア出身で、弟のニュッサのグレゴリオス、ナジアンゾスのグレゴリオスと共に、4世紀の東方教会に新プラトン主義的神学を導入したカパドキア三星の一人。大バシレイオスとも呼ばれる。東方教会修道制の父。
【本文】
小アジアのカパドキア出身で、弟のニュッサのグレゴリオス、ナジアンゾスのグレゴリオスと共に、4世紀の東方教会に新プラトン主義的な神学を導入したカパドキア三星の一人。ラテン名はバシリウス Basilius。大バシレイオスとも呼ばれる。東方教会における修道生活の父。
カパドキアの名門の家に生まれる。カパドキア他、コンスタンテイノープル、アテナイを遍歴して学ぶ。ナジアンゾスのグレゴリオスと親交を得た他、アテナイにおいては哲学者リバニオス(314ーc.393)門下、後のローマ皇帝ユリアヌスと共に学ぶ。
その後、修道生活を志してポントス地方のイリス川流域に隠棲するが、5年後にカエサリア司教エウセビオスに招かれて司祭となり、370年、彼の後任としてカエサリア司教に任じられる。アレイオス論争で正統的立場を擁護。一方、修道院周囲に病院などの救貧施設を運営した。
思弁的である以上に実践的な側面を持ち、アレイオス派の穏健な立場については許容する考えを持っていた。思想的にはオリゲネスを継承し、ナジアンゾスのグレゴリオスとの共同編纂でオリゲネスの著作の抜粋である『フィロカリア』を手がける。
主要著作
『エウノミオス駁論』
『聖霊論』
『修道規則』:東方の修道院規則範例となった。
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