2023年7月31日月曜日

悪魔学

悪魔学 demonology


要約

広義には悪魔に関する学問の総称。狭義には中世後期から近世の魔女狩り時代における悪魔崇拝・召喚、悪魔と契約した魔女(魔術師)たちの魔法に関する研究(サタノロジー)。悪魔崇拝者による研究ではなく、彼らを取り締まる体制側の学問。 


本文

 広義としては悪霊、悪魔に関する学問の総称であり、狭義としては魔女狩りの時代における悪魔崇拝や悪魔召喚、悪魔と契約した魔女(魔術師)たちの魔法に関する研究(サタノロジー)を指す。よって、大抵の場合、悪魔崇拝をする人々による悪魔に関する研究ではなく、これを取り締まる教会側の神学者、異端審問官たちが、悪魔崇拝者を取り調べるなどして得た情報に基づく研究である。


 悪魔学の源流

 悪魔学の源流は、古代教会時代の初期に遡る。殉教者ユスティノス(100年頃~160年代)が、悪魔的存在をサタン、堕天使、デーモンに分類し、リヨンのエイレナイオス(130年頃~202年頃)は、悪魔、人間、イエスの相関関係の神学を構築。テルトゥリアヌス(160年頃~220年以降)は堕落した天使が悪魔となり人間を誘惑し、不道徳が生じると主張した。その後、オリゲネス、ラクタンティウス、エウァグリウス・ポンティクス、アウグスティヌスが悪魔に関する神学を展開したが、悪魔崇拝や魔術が盛んとなり、異端の取り締まりが強化された中世時代後期から近世が悪魔学の本流と言える。


 悪魔学の研究者

 異端審問官のヤーコプ・シュプレンガーとハンス・クレーマー共著による『魔女への鉄槌』は、サバトの実態から取り調べ時の自白法や悪魔と判定する方法までを網羅する。その他、17世紀の魔女調査官のピエール・ド・ランクル、16世紀フランスの法学者ジェームス・ボダン、イングランド王ジェームス1世等、体制側の人々の手により多くの悪魔学関連書が執筆された。

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