ーーーレジュメーーー
【キリスト教史解説】ヒッポリュトス ー教父、対立教皇、サベリウス主義批判
Hippolytos, c. 170 ‐ c. 235 CE
【要約】
170年頃‐235年頃。ローマで活動した教父、護教家。エイレナイオスの弟子。対立教皇(217/218-235)。三位一体の位格を単一神における様態の変化と見なす様態説(モナルキアニズム)の立場に立つサベリウス主義を攻撃。ローマ皇帝より教皇ポンティアヌスと共に迫害を受け、サルディーニャに流罪とされて没した。
~1 概要~
* 生没年:170年頃ー235年頃。
* 東方に生まれ、主にローマで活動した教父、護教家。
* エイレナイオスに学んだ。
~2 様態説的モナルキアニズム、サベリウス主義批判~
* 様態説的モナルキアニズムの立場のサベリウス主義を論駁。
モナルキアニズム:神は一つの位格。様態説と従属説の2種
様態説:三位一体の位格を単一神における様態変化と見なす。
→三つの位格は同時に存在しない
サベリウス:3世紀前半に活動した人物
サベリウス主義:様態説的単一神論、様態主義(モダリズム)
* サベリウス主義者:ローマ教皇カリストゥス1世
ローマの司教ゼフィリヌス
ヒッポリュトスは、彼らを批判し、対立した。
→反サベリウス主義の陣営により一時、==🔴対立教皇==に立てられる
(217/218-235 CE)。
* 235年、ローマ皇帝より教皇ポンティアヌスと共に迫害を受ける。
→サルディーニャに流罪とされる
→最後は同地で没したとされる
~3 ヒッポリュトスの神学~
* 二神論と批判された神学
神は唯一であるが、内に言と知恵を含む。
→神は、創造において言を外化
→外化したものが受肉し、御子(キリスト)になった
↑御子も神とすると、一神が二神になったというロジックに
* 道徳的には厳格主義者
* 至福千年説を主張
エイレナイオスも同説の主張者だったので、彼も継承という形
* 至福千年説:ヨハネ黙示録20:4-5における、キリストによる千年間の支配を強調する説。再臨後にキリストの支配が千年続くとするプレミレニアリズムは、古代時代の多くの教父が支持していた。
~4 著作~
*著作の多さは指折り。異端の教義に対する論駁書や、護教書。
*『全異端駁論』
*『哲学的思想』
種々の異端の教義について、異教哲学に由来することを論じる。
* 『使徒聖伝』
当時の教会法を成文化した書。
後代、改訂版『ヒッポリュトス法令集』が出された。
*『世界年代史』
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