2025年6月26日木曜日

【キリスト教史解説】ヒッポリュトス ー教父、対立教皇、サベリウス主義批判



ーーーレジュメーーー

【キリスト教史解説】ヒッポリュトス ー教父、対立教皇、サベリウス主義批判


Hippolytos, c. 170 ‐ c. 235 CE


【要約】

170年頃‐235年頃。ローマで活動した教父、護教家。エイレナイオスの弟子。対立教皇(217/218-235)。三位一体の位格を単一神における様態の変化と見なす様態説(モナルキアニズム)の立場に立つサベリウス主義を攻撃。ローマ皇帝より教皇ポンティアヌスと共に迫害を受け、サルディーニャに流罪とされて没した。


 ~1 概要~

* 生没年:170年頃ー235年頃。

* 東方に生まれ、主にローマで活動した教父、護教家。

* エイレナイオスに学んだ。

 

 ~2 様態説的モナルキアニズム、サベリウス主義批判~

* 様態説的モナルキアニズムの立場のサベリウス主義を論駁。


  モナルキアニズム:神は一つの位格。様態説と従属説の2種

  様態説:三位一体の位格を単一神における様態変化と見なす。

     →三つの位格は同時に存在しない


  サベリウス:3世紀前半に活動した人物

  サベリウス主義:様態説的単一神論、様態主義(モダリズム)


* サベリウス主義者:ローマ教皇カリストゥス1世

          ローマの司教ゼフィリヌス

  ヒッポリュトスは、彼らを批判し、対立した。

 

 →反サベリウス主義の陣営により一時、==🔴対立教皇==に立てられる

  (217/218-235 CE)。


* 235年、ローマ皇帝より教皇ポンティアヌスと共に迫害を受ける。

  →サルディーニャに流罪とされる

  →最後は同地で没したとされる


 ~3 ヒッポリュトスの神学~

* 二神論と批判された神学

  神は唯一であるが、内に言と知恵を含む。

  →神は、創造において言を外化

  →外化したものが受肉し、御子(キリスト)になった

  ↑御子も神とすると、一神が二神になったというロジックに


* 道徳的には厳格主義者


* 至福千年説を主張

 エイレナイオスも同説の主張者だったので、彼も継承という形


* 至福千年説:ヨハネ黙示録20:4-5における、キリストによる千年間の支配を強調する説。再臨後にキリストの支配が千年続くとするプレミレニアリズムは、古代時代の多くの教父が支持していた。



 ~4 著作~

*著作の多さは指折り。異端の教義に対する論駁書や、護教書。


*『全異端駁論』


*『哲学的思想』

 種々の異端の教義について、異教哲学に由来することを論じる。


* 『使徒聖伝』

 当時の教会法を成文化した書。

 後代、改訂版『ヒッポリュトス法令集』が出された。

 

*『世界年代史』

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