2023年8月16日水曜日

マンダ教

マンダ教 Mandaeans, 2-3 c. -


要約

メソポタミア南西部またはパレスチナに発生。元々はグノーシス主義の影響を受けて発生した混合宗教。「マンダ」という語はアラム語の方言のマンダー(霊知)に由来。聖典は『ギンザ』(宝物の意)。流水で浸礼を行うことを重視。


本文

 2世紀から3世紀にかけて、メソポタミア南西部、あるいはパレスチナに発生したと推測される。主に現在のイラク南部、南西部を活動地域として現存する、グノーシス主義の影響を受けて発生した混合宗教。現在の信徒数は、推定2000人。「マンダ」という語は、アラム語の方言のマンダー(霊知)に由来し、グノーシス主義を意味する。


 流水で浸礼を行うことが重視されており、天上より山岳に流れ降る水を想起し、北を向いて礼拝する。よって、浸礼はキリスト教会における洗礼のような入会儀式ではなく、浄めとして行われ、信徒の居住区域は流水のある場所に限定される。


 聖典の代表は、『ギンザ』(宝物を意味する)。変形アラム文字で執筆。


 教義としては、中東の自然信仰をベースとして、グノーシス主義を取り込んでいることが特徴。グノーシス的ユダヤ教、グノーシス的キリスト教、マニ教とも繋がりがあったとも考えられている。


 また、キリスト教のイエスを偽預言者と見なす一方、バプテスマのヨハネを尊敬している。中世の近東旅行記において、「聖ヨハネのキリスト者」という名称で現れる一派がマンダ教徒と推定される。


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