2023年6月30日金曜日

神学(しんがく)

 神学(しんがく)


 神学とは、個々の宗教の信仰内容や教義を、その宗教の世界観や考え方で思考することで、それによって生み出された体系的な教義をも含む。日本語の神学は今日、神道その他の諸宗教でも使われることはあるが、英語のTheologyは、専らキリスト教神学を指す。


 神学の語源はギリシア語のTheologiaで、神を意味するtheosと、言葉や教え、原理を意味するlogosが組み合わさった語である。元々は、ギリシアの神々に関する語りや説明を意味していたが、アリストテレスがこれを神を巡る形而上的な議論のために、epist?m? theologik?という用語を使用し始めた。2世紀以降、護教家らによって同語が導入され、それ以前のユダヤ教及び初期キリスト教時代には、用例は見られない。その後、教義(信仰内容)に関する議論や学問的営為を表すようになった。


 従って、その宗教に対する信仰がなければ神学を営むことはできないとは限らないが、神の存在や教義を前提として議論を進めるため、客観的な視点から諸宗教を比較し考察する宗教学とは区別される。


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