2023年7月1日土曜日

ダマスコのヨアンネス 675年頃ー749年頃

ヨアンネス(ダマスコの) Joannes Damascenus, ca. 675‐ca. 749 CE


 東方教会最後の教父と言われ、代表作『知識の泉』によって最初の教義の体系化に貢献したと言われる。


 シリアのダマスコの名家出身。父セルギウスが征服者のイスラム・カリフ王朝の役人であり、ヨアンネスはその地位を継承した。カリフの許では彼にある程度の自治権も委ねられ、アラブとキリスト教との緊張関係の中で両者の共存に貢献した。


 しかし、ビザンティン皇帝レオ3世によるイコノクラスムに対する批判的言動により、パレスティナの聖サバス修道院にて修道生活に入る。

その後、イコン擁護派に加わり、726年以降はその神学的議論を公に著し、また、聖像破壊論側との議論のためコンスタンティノポリス等を訪れもした。後の擁護派の理論的・神学的礎を土台を形成した。


 『知識の泉』

 哲学、異端、正統信仰の三部構成。第三部はギリシア教父の神学をまとめ教義の体系化に成功している。


 また、聖歌の作者としても知られ、今日の東方正教会の典礼において使用されている他、西洋に伝わった仏陀伝説『バルラームとヨサファト物語』の編集者と目されている。

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